母音獲得の順序~『幼児の用語-用例集』を注文する
プレゼンテーション大会が,「日本と日本人と日本語」なら,ぼくはずいぶんとアドバンテージを得られることになる。井上ひさしの「日本語」本もだいぶん読んだからだ。
『井上ひさしの日本語相談』では,p216から「子ども『辞書』に必要な汚い言葉」と題して,「男の子には,意味もなく汚い言葉を使う時期があるよう」という質問者の問いの「男の子には」をすっ飛ばして,子どもが「音」や「単語」を獲得する時期や対象に触れているところがある。
一つに面白いのは,20年養成講座講師をやっていて,NHKの『幼児の用語』を知らなかったことだ。早速古本を注文した。古書の「可」という「状態」は,通販の場合,酷いものがあるので,少々高いが3,200円のにした。送料がつくから4,000円か。おっと,閑話休題。
「幼児の用語」によると,母音の獲得は「ア」「ウ」「エ」「イ」「オ」の順らしい。
語彙の獲得は,1歳半から「爆発」し,60語程度のものが,3歳では1,000語になるらしい。名詞が多く,分けても代名詞が多いのは語彙不足を補うためだろう。「あれ,なに」など最たるものである。「ママ」が29位「パパ」が82位なのは予想通りか。
井上ひさしは「汚い言葉を使って喜ぶ」のは,「辞書の正確さ」を「確か」にするためだという。「おかあさんが怒った,この言葉には『卑語』という注をつけてやろう」と「正確さ」の「確か」度を高めていると考えたようだ。ここは,週刊朝日(初出)の読者に「卑語というような,なんだか親が怒るもの」という注釈は不要だろう。そして,「喜ぶ」理由の次は,「言葉には大人を動かす力がある」ということを「発見」し,「楽しんでいる」のだという。
う~ん。どうだろうか,「発語媒介行為」は「発声だけ」の段階から,大人たちを動かしていた。その動きが,「ほめる」から「怒る」に変わることを「言葉」で楽しんでいるのだと思う。だから,井上ひさしの見立ては順序が逆のような気がするし,やはり「男の子には」を取ってはいけないだろう。ついでに,3歳児の話になっているが,相談者は5歳児の話で,そこもかみあっていないようだ。
« 敬語は? | トップページ | 日本と日本人,其の一(十七にはなるまい) »
「日本語」カテゴリの記事
- 久しぶりの環状線(2012.02.29)
- 「冥福」は「祈らない」(2012.01.07)
- 日本と日本人,其の二(十七にはなるまい)(2011.12.05)
- 日本と日本人,其の一(十七にはなるまい)(2011.12.04)
- 母音獲得の順序~『幼児の用語-用例集』を注文する(2011.12.03)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/526741/53394362
この記事へのトラックバック一覧です: 母音獲得の順序~『幼児の用語-用例集』を注文する:


コメント