10月23日に試験が行われた。試験Ⅱは,「試験Ⅱを始めます」から「これで試験Ⅱを終わります」までが33分だった。監督員は「問題が録音で提示されるため,終了時間が前後します」と言っていたが,「録音」であればこそ,きちっと終われるはずだ。またまた,30分超の問題をつくって出したというわけ。
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学習者向けの聴解問題に対する出題がある。聴解問題の目的などを問うのである。選択肢には「特定の事物を照合する。」とか「二つの情報を比較する。」とか「できごとの順番を聞き取る。」,「相手の意向を判断する。」がある。
聴解問題は,こんな感じだった。
「姉と弟が話しています。弟は最後に「わかったよ」と言いますが,何がわかったのですか。
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姉:ねえ,冷蔵庫に入れといたプリン三つ,知らない。
弟:あぁ,プリン。お姉ちゃんのだったの。食べちゃった。
姉:えーっ,三つともぉ。今日,友達が来るから,出そうと思って,昨日買ってきたのに。
弟:ごめん,ごめん。あとで,コンビニで買ってくる。
姉:コンビニぃー。コンビニのプリンなんて出せないよぉ。もう,いいよ。駅前のケーキ屋さんでなんか買ってくるから。
弟:コンビニのプリンをバカにすんなよ。昨日,テレビ番組のコンビニ・スイーツ特集で何とかプリンがうまいって,やってたよ。
姉:そうなの。でも,まずかったら承知しないからね。
弟:うん,わかったよ。
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弟は,最後に「わかったよ」と言っていますが,何がわかったのですか。
1 ケーキ屋のプリンがおいしいこと
2 コンビニのプリンがおいしいこと。
3 プリンを三つ食べたこと。
4 コンビニでプリンを買ってくること。」
あらかじめ,「何が分かったのですか」と聞いているので,この,まさに最後までのところまでで,「分かる」ことを探すわけである。とすると,一見スキャニングのようだが,それほど単純ではない。この姉弟の会話は「~といた」「お姉ちゃんのだったの」「買ってきたのに」は,話し言葉になれていないと,結構難しい。
「駅前のケーキ屋さんでなんか買ってくるから」は倒置である。文章構造の理解で,この部分を「食べちゃった」の理由と解釈する学習者もいるかもしれない。
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ネイティブであれば,この聴解問題の解答はやさしいだろうか。おそらく,最後の部分は,姉が妥協して「コンビニで弟の買うプリン」を受容していると聞き取れるだろう。弟は「まずくない」と主張するコンビニのプリンを買いに行くのだろう。この,弟の「代替提案」と姉の「妥協」を理解できているかどうかが,評価の目的になっているのではないか。「特定の事物」とは,コンビニのプリンなのだろうか?テレビ番組の情報を,姉も弟も「照合していない」ように思う。
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この聴解問題の姉弟の会話は,どのような学習者にとって難しのだろう。「コンビニでプリンを売っている」「コンビニで売られている物は,客(友達)には出せない」というような文化の知識がないと正解には,もちろん届かないかもしれない。その前に,省略,倒置,「~たら承知しないからね」の脅し(程度にもよる)が聞き取れなかったら,絶対にまぐれ以外では正解にたどりつかない。
ちなみに,1998年に出版した『風のつばさ』では,ファミリーマートを使った,会話練習ページがある。コンビニが日本において,様々な商品開発を行っていることは,この話し言葉が理解できる程度の学習者には分かるだろう。さらに,グリコのプッチンプリンと不二家とで,どちらがおいしいか,客(友達)に出せないか,は主幹の別れるところではないか?
試験会場で聞いていて,「テレビ番組」「コンビニスイーツ」「なんとかプリン」というあたりが早口で,そもそも学習者向けの聴解問題として成立するのかな,という感想を持った。