« 2011年9月 | トップページ | 2011年11月 »

2011年10月

2011年10月22日 (土)

『学習する組織』

 タイトルは,ピーター・M・センゲーの2006年の増補改訂版である。1990年版は光文社新書から出ている。原題は,"The Fifth Discipline The Art & Practice of the Learning Organization" である。
Gakushusurusoshiki うかつにも買ってから気がついたのだが,こちらの版の翻訳に枝廣淳子が入っている。氏の講演会は,星光ビルの誘いで出席したことがあった。化石燃料に頼らない社会を目指す,ということだった。訳者の前書きでいきなり「レジリアンス(逆境から立ち直るしなやかさ)」が出てきて,金井壽宏がどこかに関わっているのか,と思った。ぼくの無知もいいところで,「レジリアンス」で検索をすると73,000件ぐらいはすぐ出てくるが,その多くは,精神医学関連,東北大震災での日本人の行動(こんなに簡単に十把一絡げにしていいのか),エステ(肌のリフトアップか),競争馬名の中に,組織のレジリアンスで枝廣とか金井(20位までに直接は出てこない)や他の社会科学者たちの論文(科研というのもある)に関するものが出てくる。
 この本を求めたのは,まさに,ぼくの学校でそうした萌芽があり,それを支援したいからだ。例えば,「大阪校は夢中にさせる。共に成長」というのは,6月の全体会で出てきたものである。ぼくがお仕着せた「精力善用,自他共栄」はほとんど共感が得られていなかった。「質の高い日本語教育を目指す」では,大阪校の目指すものが見えない,と言われた。「大阪校だけの」というと,なんだかセクショナリズムめくが,身近な目標や理念(この場合は,教育理念でもあり,経営理念でもある)は必要だ。「質の高い日本語教育」では,なんだか薄められるような感じがするのだろう。
 ほかにも,受付兼営業から応募者減少の傾向を打破するため,「誰が,何のために,何をやって」いて,「どんな結果を得」たかを中だけで会議をしたいという申し出があった。「中だけで」には,注釈が必要かもしれない。受付は,受付でミーティングをする。学生が来る,来客がある,電話が鳴る,そのたびに誰か一人が応対のためにミーティングらしい体をなさない。進捗管理について相談を受けたので,管理者養成のときに使ったフォーマットをKさんからもらって,サンプルを記載して渡した。そうしたら,早速,サンプルに書いた「留学問題解決能力の向上って何ですか?」と質問が来た。これは,今,ぼくがやっている「コア・コンピタンス(またはコア・コンピテンス)」作りの中核能力のことである。
 一方,総務・経理のほうからは大商のセミナー(5回)のレポートが上がってきた。うちのキャッシュフローを社内全体で共有したい,というなかなかの大作であった。2,3の感想とアドバイスを付けて返した。
 両方に言えることだが,ぼく自身もそうで,一人では仕事にはならない。翻訳家や作家ならともかく,組織人はたとえ新入社員であっても経営トップであっても「全体最適」にする方策を探し続けなければならない,と考える。翻訳家や作家であったとしても,自分で稿料の交渉をし,所得税の申告書を書き,編集者との打ち合わせのアポイントを取り,となると大変で,マネージャーを雇うこともある。勝谷誠彦は,NMB48と同じ「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」にマネジメントを任せている。
 閑話休題。ちょうどタイミングよくセンゲーの(Youtubeを見ているとぼくには,そう聞こえる。ただし,もうすこしギーに近いかもしれない)訳本を見つけてしまったので,日本語教育能力検定試験も開ける頃に,読むとすることにした。

2011年10月16日 (日)

掲示板

 試験直前,ここ1カ月の間,ほぼ毎日(2日休み),検定合格掲示板に書き投稿をしている。ほんの少しではあるが,問題を載せたところ,解答を求めるコメントがついた。試験まであと1週間だ。

2011年10月14日 (金)

メイビーいいわけ

 『詳説〈統帥綱領〉日本陸軍のバイブルを読む』を購入した。新しいものを買ってはいけない,という会読会主宰のお言葉ではあるが,本物は復刻版(厳密な意味では復刻ではない)で高い(6,300円である)。
Tosuikoryo
 著者は柘植久慶。軍事ミステリーを多く書いている。この,戦前の統帥綱領を取り上げたのは,「こんな立派な綱領で将官たちを教育したのに,秀才たちが誤り,第二次世界大戦を敗戦に導いた」ことの反省らしい。しかし,戦略本はあくまで戦略本である。「戦争」を仕掛けて「勝つ」ための心得が書かれているはずだ。PHPから出せばビジネス本に変わるわけでもあるまい。とはいうものの,ぼくもなにがしかビジネスの種を得ようと思って購入している。浅ましきは,現代のビジネス・パーソンか,はたまた近代の将兵か。
 ただ,語るに落ちるわけではないが,1冊の本には反面教師としてであれ,何かの教訓が一つはある。証券ビジネス学院(アークアカデミーの経営者はここ出身。教える側)のS氏は生前そのような言葉で,若かりしぼくをたしなめたことがある。下らんハウツー本と頭から馬鹿にしてはいけない,という諫めだった。
 だから,ぼくもこの柘植の解釈本から一つ以上の何かを得ようと試みるつもりだ。うまくいけば次回の会読会の寝たにもなるだろう。ほら,一ついいわけができた。ちなみにAKBの13枚目のシングルは「言い訳Maybe」である。


2011年10月13日 (木)

白内障

 4月に自動車免許の更新を行った。そのとき,コンタクトを調整したが,H医師に「白内障が進んでいますね」と言われた。免許も無事更新してゴールド免許になった。
 7月期に「社会/文化/地域」と「検定演習科」を担当した。プリントの小さい字が読みづらい。にじむ。夜,車で帰るとき,信号が倍ぐらいにふくれる。夜の運転に不安を感じ始めた。

   ☆   ☆   ☆   ☆

 岡野氏から勧められていたOMMで木曜日に見てもらった。手術適用だという。両眼である。普段のパソコンでは,例えばIndesignで150%とか500%にできるので,あまり苦労はしない。TeraPadも36ptのメイリオで表示している。しかし,相当に進んでいたようだ。
 ところで,木曜日はM医師が担当だった。「美人」という評判だが,ずっとマスクをしていて,鼻水をズルズルいわせていたので美人かどうかはわからなかった。さらに,ここ(OMM)では手術ができないという。また,入院のみのところもあるようだ。できれば,通院ですませたい。この話を「でん」の宮野氏にしたら「宮さん,1日だけでも入院したら,保険出ますよ」とのことだが,この辺の感覚が,ぼくとは違う。通院なら,半日,いや,2時間でも仕事場に顔が出せる。入院して,Skypeとメールだけで仕事をするのは性に合わない。

   ☆   ☆   ☆   ☆

 閑話休題。
 結局,通院もできる北野病院にした。うちからも近いし,末子が就学前に3週間ほど入院して,付き添いで行ったこともある。紹介状を書いてもらったら12日に来い,とのこと。昨日の10時受付で9時30分に出かけた。
 担当はT医師。小柄で,ショートカットを茶髪にしている。いい感じなんだが,こちらもマスク中。七つある診察室のうち四つが女性医師のようだ。10時半ぐらいに診察をして,精密検査をするためにミドリンPを注す。これはOMMのM医師のところでもやられたが,このあと5時間ぐらいは字が読みづらくなるほど瞳が開きっぱなしになる。その後,別室で目の大きさなどをはかる。初めて表面麻酔を効かされて,機械が眼球に触れる。妙な感じである。眼球まで来ていることはわかるのだが焦点は合わないし,圧迫感だけで目にしみるようなことはない。いくつかの検査の後,外で待つように言われた。
 受付外の待合は,眼科だけでも100人は座れようかという規模である。めがねもコンタクトもしていないのでボーッとして眠くなった。30分どころか1時間少々待っていた。寝てしまって,呼ばれたのに気がつかなかったかなぁと思った頃,Tさんとぼくの名が呼ばれた。

   ☆   ☆   ☆   ☆

 開いた瞳の前で,暗い診察室で,ペンライトが揺れた。
 「何時しましょ。月・水・金,と言っても,私は水曜日は外来だから,月か金ね。」術後4日間は通わなければいけない。月曜日のほうが都合がいい。「じゃ,31日に一つ目をしますね。どちらから,まぁ,右からにしますか」。T医師は,質問の形式をとっているが,どちらかというとそのまま自分の決定をぼくに投げているだけ。
 「術後は,翌日は私が見ますが,あと3日はOMMでもいいですよ」。家からはここが近いがここはとても混む。併用になるか,また木曜日にはM医師にも会えるし。
 術前のオリエンテーションが25日の一六○○から,10分前に来るように,とのことで診察から出たが,ここからがまた大変だった。採血,検尿,心電図,レントゲン,血圧,と普通の健康診断では,後,検便と身長,体重ぐらいというぐらいに検査を受けて,終わったら2時半だった。そのまま出られるかと思ったら,またもや何かの書類を渡されてポニーテールの看護師から説明を受けた。こちらもマスクだったが,何となく,大阪校の受付のLさんに似ている。あっ,痩身なんだ。

   ☆   ☆   ☆   ☆

 初めての入院はまだまだ当分お預けだ。

2011年10月 8日 (土)

『交渉術』佐藤優

Bokurazuno

 『ぼくらの頭脳の鍛え方』を立花隆とともに著した,佐藤のタイトル本を読む。『ぼくら~』は膨大な読書リストだが,この中から何を買ったかということですぐ思い出せるのは『風の谷のナウシカ(全7巻)』だ。映画(アニメ)は『ナウシカ』のほんの一部しか描かれていない。きわめて宗教色の強い,大人しか鑑賞できないような「漫画」だった。関係ないかもしれないが,有川浩の『図書館戦争』シリーズのアニメ化の際も,聴覚障害者が絡むストーリーが登場しないように,ストーリーを変えさせられたらしい。東日本大震災の津波映像で,流される人間をすべて消し去ったように,この国の報道機関や映像提供業者たちは,どこかピントがずれている。「由らしむべし,知らしむべからず」なのだろうか(この引用が適切かどうか,やや疑わしいが)。

Koshojutu

 『交渉術』は佐藤のソ連(ロシア)外交官時代のエピソードがたくさん載っている。引用されているものの中に,ウォルフガング・ロッツの『スパイのためのハンドブック』があり,どうやら,次はこれを買ってしまいそうだ。Amazonによると,同著者の『シャンペン・スパイ』が合わせて買われているらしい。宜なるかな。ただ,ここでクリックしてしまっては単なる読書屋になってしまう。Amazonの出版社いじめ(50%が仕切りらしい)は知られたことなので,この「便利さ」の誘惑に負けないように古書店巡りの時のリストに加えておこう。
 スティーブ・ジョブズが亡くなって,死ぬまでの間に「何ができるか」を考える機会を与えられたにもかかわらず,相変わらずの書籍漁りでは,先が思いやられる。

2011年10月 7日 (金)

新学期が始まった

 10月6日日本語学校の始業式。毎年同じ校長挨拶にスタッフたちは呆れ顔もしない。ありがたいことだ。この3カ月1学期というのは,テレビのクールとほぼ同じタイミングで,10週間+3週間休みのサイクルはちょうどいい。3週間休みなのは,学生たちだけで,ぼくたちは学期後に「追試」「研修」「事業計画会議」があり,学期前に新入生受け入れ,「出迎え」「レベルチェック」「オリエンテーション」があるので,実質,何もないのは1週間あるかないか。学生募集スタッフは,入管提出資料作成の追い込みだから「何もない」どころか,募集の最終段階で大わらわだ。
 今学期入ってきたのは16人の長期生と8人の短期生。是非,日本での楽しい学生生活を満喫してほしい。

2011年10月 5日 (水)

進学準備

 日本語学校から大学へ進学する学生のために,先月から市進ウィングネットに繋いでいる。数学の問題で解けないのがある,と言うので見てみた。
 何十年かぶりに見るようなものだが,そんなに難しくはない。
 「ある自然数ズの3乗を42で割ったら余りが同じ数になった。この条件に当てはまるもののうち,最小のものと最大のものを答えよ」というのである。
 つまり,
 x^3=42q+x
 1 である。qは42で割ったときの商である。
 xを左辺に移動させると
 x^3-x=42q
となるが,これが大変に面白い。左辺が簡単に因数分解できてしまうのだ。
 x(x-1)(x+1)=42q
 しかも,よく見ると左辺は連続する3自然数である。自然数が3つ連続するなら,偶数と3が含まれるから必ず6で割れる。ということは,この3連続自然数の中に7の倍数があればいいことになる。
 xの最小は(x+1)が7になるから6。最大は,42を超えないはずなので(x+1)が42のときの41である。


 ところで,この問題の42は6×7から作ったものだが,3連続自然数は6の倍数なので,7のところを適当に変えてやれば,成立するはずだ。例えば66の時の最小は10最大は65,という風に。

x x^3 除数 余
7 343 42 7
29 24389 30 29
13 2197 42 13
10 1000 66 10
65 274625 66 65
119 1685159 120 119

なんか面白いおもちゃを学生にもらったような気がした。

2011年10月 4日 (火)

検定掲示板

 今年の検定演習科から,掲示板を作った。理由は,早稲田などでE-learningをするとき,掲示板が盛り上がるという話を聞いたからだ。今や日本語教育の現場でE-mail,Powerpointの利用などは当たり前になりつつある。掲示板はかえって古いメディアかもしれない。理由はともかく,いっこうに盛り上がらない。検定演習科の最終回が終わってから,毎日のように書き込むが,コメントもほとんどない。大丈夫だろうか。

« 2011年9月 | トップページ | 2011年11月 »