2012年4月17日 (火)

ベストセラーは読むな

 ベストセラーは読むべき,いや,買うべきでもない。岡野さんのかつての忠告にもかかわらず,本屋大賞第1位を買って読んだ。読了直後は,さほどの感想もなかったが,1日経つと「つまらなさ感」が漂い始めた("つまらなさ感"はGoogleで12,000件ヒット)。「寂寥感」というと寂しさがつきものだが,そうでもない。著者の甘さに気づきつつ最後まで読んだというのも確かにある。その理由を思い浮かべたが,まず,中で流れる時間に比してページ数が少ない。簡単に言えば,書き込みが浅い。ほぼ現在から10年ほど先の未来を描いていると思われるが,その割りにここ10年の変化ほどにも変化しない世界と対象を描いている。
 主人公は学部で言語学を専攻したと書いているが,修論で何を採り上げたか(そんなことはエンターテイメントには必要ないが)とか,およそ言語学を専攻したことはなさそうで,研究者としての態度も見られない。市井の本の虫程度だ。つまり,主人公の作り込みが中途半端に思える。昨年11月にとあるブログに書いてあったように,現実味が乏しい。「一昔前」という表現がぴったりだが,冒頭に「携帯を持っていない変人」として描かれており,少なくともここ5~6年がその舞台であろう。
 ほぼ全編が三人称だが,「俺」という一人称が地の文ででている箇所もある。誰に感情移入しているのか,読者は主人公として読めばいいのか,ぼくは少し戸惑った。

2012年3月20日 (火)

『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』

 

 『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』を今日読み終えた。というか,少し前に買っていたのに,ジュンク堂の袋に入れたまま忘れていた。夜,少しずつ読んで,三日かかった。ビジネス・モデルの話としても,〈希少⇔潤沢〉の話としても考えさせられるところが多い。
 ぼくは,著作権というものの,特にビル・ゲイツ達が無原則(と思うのだ)に拡大してからの著作権なるものに懐疑的だ。「ある人間の中にしかなかった英智」という仮構があるからだと思う。もう少し具体的なものとして,音楽家達が「CDのコピー」に反対する際の「作品を創造する際の努力を無視している」と唱えるのも,どうかと思っている。確かにデジタルデータになってから,品質の変わらないもの(海賊版)が多く作られ,それが本物の生み出す利益(貨幣的価値)を奪っているのは事実である。では,本来そうした利益は妥当なものだったのだろうか?おそらく,秋元のAKBプロジェクトは,デジタルとして品質が変わらないのであれば,デジタルとアナログの違いを,そして,「投票」という名の参加権に利益を転化させて,CD販売を伸ばし,楽曲の中身や品質を変化させたのだ。

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 ビジネス・モデルに「フリー」はどう役立つのだろうか?そのモデルを,いくつか,巻末に掲げていた。そこへ至る過程で,非貨幣的価値(注目:トラフィック,評判:リンク)が本来のビジネスへどう貢献するのかを考える必要がある。お茶を出すとき,粗茶であれ,茶碗の向きをきちんとすると,良い接客になり,来校者の印象が変わる。こんなことを今,うちの学校の受付は真剣に考えている。茶碗の向きそのものは,コストのかかる(負の貨幣価値が生じる)ものではない。また,売上を生じるものでもない。しかし,そうしたことが評判を呼び,学校への注目が高まれば,わずかな商材(決められたものしか売れない)であっても,コアなコンプテンシーにつながるかもしれない。

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 卒業式で,卒業生全員に着物を着せることは,今「無理なこと」らしい。だから,何とか無理でない方法を考えよう。過去に作った模擬試験の問題を,養成講座のサイトに載せることは,これまた,「難しい」ようだ。しかし,フリー(貨幣的価値を要求しない)で,サービスを行うことは,トラフィックを増やし,リンクが増えるかもしれない。

2012年3月19日 (月)

Strategic なポートフォリオ

 年度末(半期決算末)の会議を控えている。いくつかの方向性について,明確にし,しっかり共有しなければならない。
 3週間ほど前に,『Google Appsでつくる仕事便利ツール ~Google Apps Scriptで実践構築~ 』 を買った。読んでみて,サイトにアクセスしたら,何のことはない,著者のブログサイトをまとめたのが書籍だった。以前,Google Docsでアンケート・フォームを作ったが,あまり,うまくいかなかった。
 しかし,今回使ってみて,かなりのことができるというのがわかった。
 Java Scriptが、無償版の Google Docs でも使えるようになり,Office ソフトのマクロのようなものに替えられる。フォームは,アンケートのようなものに使えるが,ぼく達は,検定演習科の質問用に使おうとしている。
 そうこうしながら,昨年から引き続き,ぼく達のコア・コンピタンス(発音は,コア・コンプテンシィに聞こえる)が何なのかを考えていて,それの一つの方向性が「見えた」気がした。  道頓堀ホテルは,単なるビジネスホテルみたいな,サイト構成をしているが,ターゲット顧客をを絞っている。東アジア(韓国,香港,台湾,シンガポール)の20代から40代の女性観光客である。だから,国際電話を無料で使えたり,パソコンを無料で貸し出ししたり,そうした,大規模チェーンのビジネスホテルでは,まねのできないサービスに特化している。餅つき大会,タコ焼き,お好み焼きはもちろん,鯛の舟盛り作り,にぎり寿司の握り体験など外国人観光客の喜びそうな無料イベントを開催している。
 そうしたことの積み重ねで,客室稼働率を90%まで高めて,利益の出る強い体質を作っているのである。価格競争をしないので,1拍4,000円弱などでは泊まれない。国内の旅行業者が,海外の代理店から道頓堀ホテルを指名されても,値を引かない。海外から指名されるようなサービスを行っているから。

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 なんだか,話の道筋が見えないかもしれない。うちの提供できるサービスは何か,ということである。例えば,卒業式に和服を提供するということもその一つだろう。価格や時間は研究の余地がまだまだあるが,これをやっている日本語学校はない。道頓堀ホテルのイベントに参加して,「日本文化体験」の幅を増やすということもある。
 本来の日本語教育では,進学指導に何を盛り込むか,授業の内容をどう効果的に効率よく行っていくか,そうした観点から Strategy を決定していこう。

2012年3月 5日 (月)

組織について

 正社員が10人ほどの日本語学校で確かに,役割分担は必要だろう。担当を決めるのもいいだろう。しかし,担当者しか担当の仕事をしない,というのであれば,組織として機能するのは難しい。Chester Irving Barnardは,組織をシステムとしてとらえた。「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸々の力のシステム」である。そして,組織に必要なものを三つの要素として表した。まず,「目的」である。なんのためにこの組織があるのか,実現すべきこととは何なのか,これが目的である。二つ目が「協働意志」である。この組織に参加して,共に目的を実現しよう,協力しようという意志である。最後は「コミュニケーション」をあげている。
 どこに向かうかが同じで,自発的に協力しようという人達が,情報をやりとりして共有していくのが組織である。したがって,ぼくに言わせれば,「担当者」が情報をもたらされず,「担当外し」のような状態になるのは,「コミュニケーション不足」にすぎない。部署や担当が「決まってなくても」,「違う部署や担当」であっても,目的達成のためには,意見を述べて行動しなければ行けない。「俺の担当で,おまえのではない」という話は,「目的」を見失っているというべきだろう。

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 知り合いの経営者のブログを読んだら,いいことが書いてあった。やはり,目的を明確にしなければいけない。ただ,目的が明確だといっても,その中間点には,目標があり,たとえば,目標売上を達成できなければ,経費を削減する以外に利益を残す方法はない。利益を残すことができなければ,過去の財産を食いつぶすしかない。または,借り入れを起こすか。それがつきたら,組織は潰える。

2012年2月29日 (水)

久しぶりの環状線

夜も,ほとんど日が変わりかけの時間。大阪環状線に乗った。
大正駅で,録音された放送が流れた。「黄色い点字ブロックまでお下がりください。」明確である。黄色い線でも白線でもない。ホームを見ると白線もない。事故続きの公共交通だが改善されつつあるのかもしれない。
と,褒めかけたら駅名を間違えた。

2012年2月16日 (木)

どうしようお~

 とても怖い夢は。語ると楽になるはずだけど,語りたくない。語らせてくれない。

怖い夢

 火曜と水曜に九州遠征をした。小倉でTOTOの見学,門司港へ移動,博多,中州,翌朝から太宰府と見られるところは全て見よう(これは,社内研修に使えるルート)と走り回った。5時から新大阪で宴会。体調を考え,飲酒を控えるも,先輩各氏は,旅行=飲酒。
 その夜の夢が,怖くて語れない。暴力ありの逃走ありのunHappyend.夢は実は,今の自分の願望とか不安とかの現れという。何に脅え,何に期待しているのか。..

2012年1月 7日 (土)

「冥福」は「祈らない」

 

株式会社SHIMADAの前社長,嶋田一夫式の告別式に参列した。急逝だった。心筋梗塞だという。亡くなられたから「前社長」であるが,まだ現社長も決まっていないだろう。御命日は1月3日ということだが,年末年始もコーチングの勉強会を行っていた,と聞き,前触れがなかったのだろうかと気にかかる。心筋梗塞は,加齢,45歳以上の男性,50歳以上の女性に多いとも言うが,高血圧などの原因が挙げられている。

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 さて,「~様の御冥福を心よりお祈り申し上げます」が弔辞や弔電で使われていた。読経は「なんまいだ」で始まっており,浄土真宗のどこかの派だと思われる。浄土真宗では「冥福」は使わない。定番の弔辞用語が忌まれることもある,ということを「社会」や「国語」では教えない。どこかで習わなければいけないのだが,余り見かけない。Wikipediaに全幅の信頼を置くのは困ったものだが,冥福については,ほぼ間違いのないところだろう。浄土真宗で「冥福」を使わないのは,故人は当然のごとく「浄土」へ行くからで,「冥土」を彷徨ってから「浄土」か「地獄」に行くのではないからだ。冥土の幸福を祈る必要があるというのは,地獄へ落ちる可能性もある,との隠喩で,故人や遺族には大変失礼な言い方にあたる。

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 しかし,言葉の意味は,それが使われている領域で決定される。告別式の案内でも宗派については触れられていない。したがって,近年定番になっている「~様の御冥福を祈る」は,失礼ではないようである。特に,「故人の名前+の+~」という言い方で,直接故人の死後について語る言い方は,「冥福」以外には見当たらないようだ。これまた,困ったものだ。

2012年1月 5日 (木)

担当者会議

 本日は,年明け営業二日目である。アークアカデミー大阪校では,4半期を1学期にしている。だから新学期直前になる。そして,すべての授業を担当する担任,講師が一堂に会して担当者会議を開いた。
 昨年の同時期同様,プレゼンテーションを担当する。昨年は,最終的には,研究計画書ではなく,TVドラマ「クロサギ」や「ティファニーで朝食を」などの紹介プレゼンもあった。今年は,研究計画書以外に学会発表風の統計的検定まで扱ったものに挑戦したい。
 もう一つ,板書をできるだけ減らして,PCのディスプレイだけで講義を行うことにも挑戦したい。昨年は90分だったが,今回は135分(間に休憩15分)を入れるので,前半を論文形式と統計的検定にして,後半で,論文作成のグループワークと,プレゼンテーション・ソフトの使用方法のレッスンに当てようと目論んでいる。となると,教案を作らなければ行けない。梅田校に「推定と検定」の参考文献があるから,あれを元にして統計的検定を組み立ててみよう。
 後半は,例によって『日本語発表作法―系統的トレーニング (IT21叢書 情報リテラシー編)』もいいのだが,『発表の技法』『プレゼンテーションの技法』も調べておいたほうがいいだろう。
 http://www.katayama.nuee.nagoya-u.ac.jp/~katayama/presentation/
は,理系向けのプレゼン法の手引き。2冊は,土曜日までに届くとAmazonが言っている。

2012ブログのスタート。

2011年12月21日 (水)

合格発表

 日本語教育能力検定試験の合否発送が先週16日に行われた。
 人前に出るのを先週ははばかっていたので,こうした話題も,あまり耳にしなかった。月曜から復帰したが,受講生の手元にはまだ届いていなかったらしい。21日は,朝から2限,代講を行ったが,受験した人が3名で,全員合格していた。喜ばしいことである。が,御報告をいただいた方の中には,不合格もある。今,届いているところで合否の割合は11:2だが,不合格のほうが連絡しづらいだろう。実際の合格率は,6割弱と言ったところか。昨年は,近畿の受講生は5割の合格だった。人数が少なかったから。今年も多くはないが,5割は行きそうな勢いである。
 試験Ⅱは,ぼくの解答だ。主催者発表と三つ違う。一昨年だったっけ,全部合ったことがあった。音声による出題は,聞き返しができないので難しい。92.5%をよしとするのか。きれいに録音をして(不正行為だと言われかねないが),何人かで聞いて見れば,100%は出せるだろう。どうせ,後でCDを出すんだから,サイトからダウン・ロードできるようにすればいい,と思う。受験番号をID,パスワードを生年月日とか方法はいろいろある。
 記述の解答例も発表されたが,行落としも段落分けもしていない。抽象論で,具体的な授業への対応は,最後に少し出てくるだけだ。学習者ニーズを無視しても一般論で進めろ,という主張にとれる。もちろん,主張の正当性は「問わない」はずなので,これも一つの正解なのだが,「例」として適切なのか。今週の月曜に読んでいてそんなことを思った。

«日本と日本人,其の二(十七にはなるまい)